政治家、覚悟のかけらもなかった 「8割削減」西浦教授

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聞き手 シニアエディター?尾沢智史
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 昨年春の「第1波」の際、厚生労働省クラスター対策班の中心となり、「人との接觸の8割削減」を呼びかけた西浦博さん。1年を超えた新型コロナウイルスとの闘いの中で、見えてきた日本社會の課題とは何か。「第4波」の拡大を防ぎ、次のパンデミックに備えるために何をすべきかを聞いた。

1977年生まれ。北海道大學教授を経て京都大教授。専門は感染癥疫學。著書に「新型コロナからいのちを守れ!」(川端裕人氏との共著)。

 ――新型コロナ対策を振り返って、自分たち専門家が適切に行動したと考えますか。

 「全體的に適切だったかを評価するにはまだ早いと思いますが、現時點では『イエス?アンド?ノー』です。すべてイエスと言えるだけの環境が與えられなかったし、幾多の失敗も重ねました」

 ――「環境が與えられなかった」というのは、具體的には?

 「一番大きいのは組織の問題です。第1波のとき、厚生労働省クラスター対策班で仕事をしていたのですが、そこで分析した結果が、政策的な判斷を下す官邸に屆くまでに、厚い壁のようなものが何枚もありました。科學的な知見を採り入れた政策判斷と、官僚制システムがかみ合っていない」

 「當時の厚労大臣だった加藤勝信さんには毎日のように會って、かなり厳しいことも言わせてもらっていました。しかし、その後、官邸での會議に専門家の提言が直接出されるわけではないのです。厚労省內で調整して、ようやく事務次官や醫系技官のトップの醫務技監が官邸に伝える」

 ――著書「新型コロナからいのちを守れ!」を読むと、西浦さんたち専門家と厚労省や政府との間でかなり摩擦があったようです。

 「第1波のときは、いつも會議の前々日くらいから、『嵐』が起きていました。昨年3月19日の専門家會議の前には、それこそ怒號が飛び交うような狀態でした。僕は重癥者數のシミュレーションをして、このままだと病床が足りなくなるという試算を會議に出したのですが、厚労省側からは『混亂を招く』と大反対された。一方で、會議の直前になって、政府側から『こういう別の対策が入ります』と言ってくる。前日の夜に資料が回覧されるものもあり、専門家の意見を採り入れたり、変えたりできない狀態でした」

 「ただ、第1波が終わった頃…

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