買い物できない道の駅「山陽道やかげ宿」 宿場町で開業

小沢邦男
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 物産品の販売はなく、飲食店もない。そんな新たな道の駅が、江戸時代に宿場町として栄えた岡山県矢掛町にできた。「町全體が道の駅」をコンセプトに、買い物客には近くの商店街を利用してもらおうという狙いだ。

 重要文化財の本陣と脇本陣が建つ矢掛商店街と並行する國道486號沿いに県と町が整備。「山陽道やかげ宿」と名付けられ、3月末にオープンした。

 デザインは岡山市出身の工業デザイナー水戸岡鋭治さんが擔當。鉄骨2階建ての延べ511平方メートルで、かつての宿場町の町並みに溶け込むよう黒を基調に仕立てられた。総事業費は約12億円。

 1階に町內の観光名所と物産を紹介するコーナーを設置。休憩する椅子には、水戸岡氏がデザインしたJR九州豪華寢臺列車「ななつ星」の座席と同じ生地が使われている。2階にはボールプールや絵本がそろうキッズルーム、水戸岡氏の作品を紹介するコーナーが用意された。また屋內各所には水戸岡氏が描いたポップな絵畫作品が100點以上飾られ、彩りに一役買う。

 矢掛商店街一帯には古くからの町家と洋風建築が並び、飲食店を中心に約100店が広がる。一部エリアの無電柱化も進められ、道の駅の完成でさらなる観光地化に拍車がかかる。道の駅の指定管理者となる第三セクター「やかげ宿」の繁森良二専務は「町の中心部に観光客をお迎えする玄関口ができた。ここから商店街に繰り出して観光や買い物を楽しんでもらいたい」と期待する。

 利用時間は午前10時~午後6時。1階のトイレと交通情報は24時間利用可能。(小沢邦男)